2014年12月23日、第19回イチロー杯争奪学童軟式野球大会 閉会式より

こんにちは。ニューヨークヤンキースのイチロー…ではありませんがイチローです。

今日は体育館で室内ということですが、寒い中ありがとうございます。

ここにいる3チームのみんなは、僕にとってはみんな優勝という感じです。

というのは、217のチームが集まって最終的にみんながここにいるのですが、217という数字は高校野球で言うと愛知県が今季多くて190前後という全国で一番多い数、次いで神奈川、千葉、埼玉、大阪、福岡、東京は西と東を合わせた数が多く、北海道も南と北を合わせた数が多いため、200以上のチームが集まって競うのはとても珍しい大会なのです。

その中から残った3チームのみんなは、とんでもない事をしたということを誇りに思って、自信を持ってこれからの野球人生を歩んでほしいと思っています。

今年の僕がみんなに何を伝えられるか考えると、“我慢”ということではないかなと思いました。

そもそも大人になっていくと我慢の連続です。

みんなを支えている方、お父さんやお母さん、ここにいるおじさま方、みんな我慢の連続です。

僕も僕の人生を思い浮かべるとまずまっ先にその事が思い浮かんできます。これがなければ先に進めない大事な要素のように思います。

大人になると自分の思いだけでは進んでくれない事がたくさんあります。我慢して自分の気持ちを押さえて未来に向かう、これしか方法がないと言ってもいいと思います。

アメリカへ行って14年のシーズンが終わりましたが、アメリカの選手はとにかく主張が強い。

自分の気持ちを前面に出してくる人たちが多いんです。

でも、グラウンドへ出てやってみると実際は出来ないことが多い。

自分は出来るという主張をしておきながら出来ない方が多い。

それよりもぐっと自分の思いを秘めてやり遂げていくようなスタンスが、僕は日本人らしくてカッコイイんじゃないかと思います。

イチロー杯でみんなが野球について色々学ぶことはたくさんあると思いますが、それを支える思いや考え方、こんな事も野球を通して学んでいってほしいと思います。

例えばヒットを打ち、ホームランを打つ、三振する。感情をコントロールできずに喜びや悲しみ、悔しさを表現することはだいたい誰でもできます。

そこを我慢して内に秘めながら前へ進む、そんな野球選手になってほしい。

自分の思いをしっかり内に秘めて我慢しながら立派な大人になってほしいなと思います。

僕は自分が立派かどうか分かりませんが、人が見た時にそんな大人になっていてほしいなと思います。

今日の僕からのメッセージはこんな感じです。みなさんどうもありがとうございました。