智辯和歌山高校で指導者デビュー、3日間の熱血指導
2020年12月、イチローさんは甲子園常連校である智辯和歌山高校で自身初の高校野球指導を行い、3日間にわたる熱血指導を終えました。
現役引退から約9か月後、47歳にして初めてユニフォーム姿で高校生の前に立ったイチローさんは、初日こそ選手を観察し静かに見守りましたが、2日目からはバットを握りノックや打撃練習を実演して指導に本格的に参加しました。
走塁練習では自ら全力疾走して塁間を駆け抜け、守備練習では正確無比な送球を披露するなど、かつての名手ぶりは健在でした。
最終日、イチローさんは「僕が伝えられることはこの3日間で全て伝えました」と選手たちに語りかけ、「あとは君たちがどれだけ継続できるかが大事」とエールを送りました。
高校球児たちは憧れの大選手から直接手ほどきを受け、大きな刺激を受けた様子でした。「イチローさんの教えを胸に練習に励みたい」「基本の反復がこんなにも大切だと実感した」といった声が選手から聞かれ、プロ野球だけでなく高校野球の現場にもイチロー選手の哲学が根付いていく契機となりました。
礼儀や挨拶の指導にも力を入れた3日間は、技術面だけでなく人間性の面でも子どもたちに深い学びを提供し、学童野球出身の高校生たちにとって一生忘れられない財産となったに違いありません。