2013年12月23日、第18回イチロー杯争奪学童軟式野球大会 閉会式より

 

みなさんこんにちは。

今年は237チームの中からJBC玉城・六田ファイターズ・ドジャースが勝ち残りました。

237分の3チームはとてつもなくすごいことです。

僕は小学生の少年野球の時はベスト8までしか行きませんでした。

中学生の時はベスト4でした。

みんなの歳の状態ではみんなの方が野球がうまかったことになります。

どうか今日の結果に誇りを持って、この先野球をまた楽しんでもらえたらと思います。

今年は僕にとってとても苦しいシーズンでした。

その中で日米通算4,000本という結果を達成することが出来ました。

その数字だけをみると、みんなは何かすごい事だと思うかもしれません。

僕はみんなの年齢の頃、みんなと同じようにプロ野球選手になることが夢でしたが、はっきりとそれを達成できる自信はまったくなかった。

プロ野球選手になってからも、自分でヒットが打てるかどうか、レギュラーを取れるかどうか、まったく自信はありませんでした。

でも日々自分にできること、今の自分が一番うまくなれることを考えて重ねてきた結果、いろんな事を、いろんな目標を達成することができました。

1本のヒットを打った後には、10本…100本…1,000本。1,000本打った後2,000本。とても想像できませんでした。

でも2,000本クリアして、3,000本…4,000本。数字的には達成できました。

みんなの歳の頃は、みんなの方が野球はうまかった。

それを考えればみんなも、自分が今出来ること、小さなことを毎日重ねて行き、いつの日か信じられない結果を出す自分がいることに、出来ることに気がつくと思います。

このことは途中で手を抜くとそれを達成することはできません。

小さなことを重ねて行ってほしいなと考えます。
4,000本という良い結果ばかりに目が行きがちですが、そこには倍以上の失敗があります。

記録を達成した瞬間だけは気持ちがよく好きですけれど、実は自分には悔しさしか残っていない。

その悔しい思いを常に持って、自分が失敗してしまったことを、常に向き合っている。

このことは今のみんなには少し難しいけれど、これはぜひお父さんやお母さんに覚えていただきたいことです。

将来お子さんたちが何かにぶつかった時、くじけそうになった時、その時は今目の前にある壁・困難を乗り越えようとした自分がいて、結果として乗り越えることができれば、それが将来の大きな支えになることを覚えておいてほしい。

今の僕を支えているものは、決して良い結果を残してきたことではありません。

むしろ失敗して相手に負けて、イライラして、悔しい思いをしたこと。

それが今の僕を支えている、と断言できます。

みんなは野球を通していろんな事を今も学んでいると思いますが、どうかこれから先もいろんな事を学んで吸収して、強くて人の心の痛みがわかる優しい大人になってくれることを願っています。

今日の僕はこういうことを伝えながら、自分自身を客観的に見て教育していく感覚もあるのですが。

今日の僕の言葉をどこかに留めておいて、お父さんお母さん、将来そんな優しい大人になって欲しいと思っています。

今日はほんとうにおめでとうございます。

今日の日のことを誇りに思って、明日からまた全力で、野球だけでなくいろんな事に取り組んでほしい。

自分もみんなと一緒に明日から、今日から頑張る気持でやりたいと思います。