2016年12月23日、第21回イチロー杯争奪学童軟式野球大会 閉会式より
<大会長 マイアミ・マーリンズ イチロー選手>
みなさん、こんにちは!(声が)小さい…。こんにちは!マイアミ・マーリンズのイチローです。
ここにいる3チームのみんな、本当におめでとう。
199チームの中から、3チームに残ったこと、勝ち上がったこと、本当に凄いと思います。僕は5チームの中で今年も3位でした。
今年の僕がみんなにかけてあげられる言葉を少し探してみました。
今年メジャーリーグで3000というヒットを達成することができました。
こういうことがあると、たくさんの人から褒めてもらえます。
そして、イチローは人の2倍も3倍も頑張っていると言う人が結構います。
でも、そんなことは全くありません。
人の2倍とか3倍頑張ることってできないよね。みんなも頑張っているからわかると思うんだけど。
頑張るとしたら自分の限界・・・自分の限界って自分で分かるよね。
その時に自分の中でもう少しだけ頑張ってみる。ということを重ねていってほしいなというふうに思います。
みんなが今、ボクを目の前にして・・・日本のプロ野球で何年かやってアメリカに行って16年終わったんだけども、そういう目に見える結果を残したからそんなふうに言えるんじゃないかって思っているかもしれないけど、それは全く違っていて、僕もみんなと同じように野球少年だったし、ここに今日来てくれた関根選手もみんなと同じ。
しかも彼は毎年、1回戦負けの選手でした。ね?みんなの方が成績がいいんだよ。現段階では。
彼もきっと人との比較ではなくて、自分の中でちょっとだけ頑張った。
そのことを続けていくと、将来思ってもいなかった自分になっている、と僕は思う。
実際、僕だってメジャーリーガーになれると思っていなかったし、アメリカで3000本打てるなんてことは全く想像が当時できなかったんだけど、今言ったように、自分の中でちょっとだけ頑張ってきた。
それを重ねてきたことで、今現在の自分になれたと実感しているので、今日はこの言葉をみんなに伝えたいと思います。
そして、横浜DeNAベイスターズの関根選手。
彼はこの場に来ることはできなかった選手だけれども、みんなのように野球少年であった彼に、どうしたら、18歳の時から1軍で試合に出られたか。
このことはなかなかできることではなくて、凄い選手なんです。
その彼に人前で話すことがいかに難しいかということを実感してもらうことも踏まえて、挨拶していただきたいと思います。
関根選手、よろしくお願いします。
<横浜DeNAベイスターズ 関根大気選手>
こんにちは!僕も先ほど言われたとおり、このイチロー杯に3年続けて出させていただいたんですけど、すべて1回戦負けでした。
なのでここにいるみなさんが本当にすごいと思います。おめでとうございます。
今、僕は横浜DeNAベイスターズで野球をやらせていただいています。そして、高卒で3年目が終わりました。
中学から高校、小学校ももちろんなんですけど、ひたすら練習をし続けて、僕はプロ野球選手になりました。
しかし、今、僕はプロで結果を残せていません。
まだまだ僕の中では練習不足だと思い、これからも練習を続けていきます。
練習をすること、考え続けること、これが僕が結果を残すために必要なことだと思うから、これからも練習を続けていきます。
みなさんにもこれから多くの出来事があると思います。
そんな時はぜひ自分の力を信じて、そして練習して立ち向かってください。
これからみなさんが頑張るように、僕も必死に頑張って生きていきます。
本当におめでとうございます。ありがとうございました。
<イチロー選手>
なんで3年目の選手が僕よりあいさつがうまいのか良くわからないのですけど(笑)。
みんな今日のことをどうか、関根選手からの言葉も胸に刻んで立派な大人になってくれることを願っています。
おめでとうございます。