2015年12月23日、第20回イチロー杯争奪学童軟式野球大会 閉会式より
こんにちは。マーリンズのイチローです。
ここに集まった3チームのみんな、今回は200チームの中の3チームということで、みんな優勝したみたいなものです。
このことはみんなの大きな誇りにしてほしいと思います。
毎年ここに来て同じように感じることですが、とにかくみんなの目がキラキラしていること、これが僕はとってもうれしいです。
年齢を重ねていくと、あちらの方も(来賓席を向きながら)そうかもしれないですが、ギラギラしてくるんですよ。
キラキラしたという感じがどうも薄れてくるんです。
実はこのキラキラしている表情とか空気というのはとっても大切なことで、今、みんなが感じているこの瞬間をぜひ記憶しておいてほしいなと思います。
子どものうちは大人に憧れたりするけれども、大人の人というのは、子どものキラキラした感じにとっても憧れています。
それは僕にとっても同じで、野球をしている時に僕はキラキラしていたいと、もちろん思っています。
いろいろ人というのは、人との関係に苦しんで、人と人に助けられ、救われるものです。
そういうことをみんなが実感するようになった時、このことを思い出してほしいなと思います。
好きなことをやっている間は大人でもキラキラしていられるのだと思います。
これは昨日の話なんですが、僕がスターバックスでコーヒーとチーズケーキを食べているとき、隣に偶然来られた人と話をしました。
彼は結婚して4年目位の30代中盤くらいの方。そういう人に会うとすぐに僕は友達になって話が弾んでしまいます。
「奥さんどんな人ですか」と聞くと、「忍者です」と答えたんです。
びっくりしてどういうことかと。
忍者分かるかな?イメージは…(手裏剣を投げるジェスチャー)。
忍者というから、どんなことかと聞くと、忍者検定というのがあるようなんです。
これは忍者という職業があるわけではなく、趣味の範囲で忍者に対する知識を学んで行き、最終的には実技もあるらしいのですが、その奥さんは忍者になっている時はとにかく楽しくてキラキラしていると言ってました。
人はそういうことを見つけるととても楽しいし満足できる。
みんなにはそれが野球…やっている時楽しいよね、今きっと楽しいよね。
もしみんながプロ野球選手を目指すとしても、プロ野球選手になれなくても、今大好きな野球を、草野球でもいいし、どんな形でも野球を続けてほしい。
自分が輝いていられる、好きでやれるものをみんなは見つけているはずだから。
みんながキラキラした大人のままでいることを願って、僕も来年大きな目標がありますけど、みんなのことを思いながらプレーしたいと思います。
おめでとうございます。